PACSニュース

フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

3D PACS研究会、12月13日に大阪で開催

3D PACS研究会(代表幹事:立石敏樹、国立病院機構仙台医療センター)は、「第2回 3D PACS研究会」を大阪産業創造館(大阪市中央区本町1-4-5)で12月13日に開催すると発表した。 参加費は1,000円。 参加には事前申込が必要で、エルクコーポレーションで受け付けている。 なお、申込みは会場準備の関係で12月9日までとなっている。
  • 9:50~10:00 開会挨拶
    国立病院機構仙台医療センター 立石敏樹
  • 10:00~11:45 テクニカルプレゼンテーション
    「3Dボリュームデータをどう取り扱うか?」
    座長:佐賀大学医学部附属病院 池田龍二
    国立病院機構仙台医療センター 立石敏樹
    • 「iNtuitionでのAPSを使った心臓CT解析の利点と運用方法の実際」
      演者:済生会川口総合病院 富田信博
    • 「消化管領域における3Dデータの活用 ~virtual endscopyをどう活かせるか~」
      演者:中井記念病院 松岡孝明
    • 「MR画像におけるAquariusNET運用の現状 ~乳房MRIへの臨床活用~」
      演者:北福島医療センター 丹治一
    • 「中枢神経領域における、volume dataの活用法」
      演者:新潟労災病院 金沢勉
  • 12:00~12:30 ランチョンセミナー
    座長:国立病院機構災害医療センター 武田聡司
    • 「Aquarius iNtuitionにおける心臓解析に関して」
      演者:テラリコン・インコーポレイテッド 清水聡
  • 13:00~15:15 アドミニストレータセッション
    テーマ「画像システム管理の現状」基礎講演
    座長:滋賀医科大学医学部附属病院 牛尾哲敏
    • 「カラーモニタの輝度管理について」
      演者:株式会社ナナオ 藤井淳一郎
    • 「検像システムの最新情報」
      演者:インフォコム株式会社 江島豪一
    • 特別講演Ⅰ
      座長:名古屋大学医学部保健学科 津坂昌利
    • 「検像とモニタ管理の実際」
      演者:大阪大学医学部付属病院 祐延良治
    • 特別講演Ⅱ
      座長:国立がんセンター中央病院 麻生智彦
    • 「CT・MRI大容量データ運用の課題」
      演者:近畿大学医学部附属病院 上村正信
  • 15:15~15:30 閉会挨拶
    名古屋大学医学部保健学科 津坂昌利
  • ~16:00 企業展示 終日、会場内にて協賛企業による製品展示を開催。

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重粒子線がん治療、放射線医学総合研究所

医学の進歩は、年間30万人以上もの命を奪う癌に対しても、果敢に挑戦し続けている。

癌の治療の柱は、手術、抗がん剤、放射線の3つである。その中でも今もっとも注目されているのが放射線を進化させた「重粒子線がん治療」だ。

この新しい治療法は、一般的な放射線治療で用いるX線やガンマ線ではなく、巨大な加速器を用い、炭素の原子核を光の約8割の速度に加速させることでエネルギーを高め、照射もとい衝突させることで癌細胞のみを死滅させる。

その医療用重粒子加速装置を世界で初めて建設し、1994年から治療を行っているのが、独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院(千葉県千葉市稲毛区穴川)だ。治療実績は、もちろん世界でトップである。

「癌細胞のみを標的として、正常な細胞にダメージを与えずに、照射回数も少ない治療が行えます。1期の肺がんは、1日1回の照射で済みます。患者さんにとって負担の少ない治療法ともいえるでしょう」とは、放射線医学総合研究所の辻井博彦理事。

治療設備は、120メートル×65メートルと巨大だ。広い設備の中で重粒子が加速され、患部に照射される。照射時間はわずか2~3分程度。ただし、癌の種類によって照射回数は異なる。一般的な放射線治療で30回以上の照射が必要な前立腺がんも、重粒子線がん治療では16回。患者への負担が少ないのが特徴だ。

適用は、手術が難しいケースも含め、肺がん、肝がん、頭頸部がん、前立腺がん、悪性黒色腫、骨軟部肉腫、直腸がんの手術後再発など。その症例は、15年間で5000例を超えるそうだ。

「すべての癌に適用するものではありませんが、1カ所にとどまっているような局所進行の癌に威力を発揮します。たとえば頭頸部がんは顔の変形なしに治療が可能です。切らずに治す選択肢の一つとしての役割も重粒子線がん治療にはあるのです」。

こう話す辻井理事は、1989年に世界で初めて深部癌に対して、水素の原子核・陽子を高エネルギーで加速した陽子線治療を行ったことのある放射線治療の権威。手術や抗がん剤、放射線といった従来の治療では難しい症例を数多く診てきた。そういう人々を救うべく重粒子線がん治療でも世界をリードし続ける。

辻井理事長は「患者さんにとってベストな治療は何か。受診された患者さんは、それを知る良い機会にもなっていると思います」とも話す。

2003年10月から重粒子線がん治療は先進医療として認められた。がん治療のひとつの選択肢として道が開けている。その普及に向けて今後も力を発揮し続けるだろう。

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チーム医療、診療報酬が論点に

11月13日、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長:遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は、入院医療におけるチーム医療への評価について議論した。

厚生労働省側は、多職種が連携して患者の栄養管理を行う「栄養サポートチーム(NST)」などへの診療報酬上の評価を論点に挙げた。チーム医療の重要性では委員の認識が一致したものの、定義の明確化や内容の検証を求める意見もあった。

現行の診療報酬では、チーム医療について、緩和ケア診療に関する「緩和ケア診療加算」(1日につき300点)のほか、栄養管理やリハビリテーションなどについて共同で策定した計画に基づく医学管理を評価する「栄養管理実施加算」(1日につき12点)や、「リハビリテーション総合計画評価料」(月1回300点)などで加算している。

この日の基本小委で厚労省側は、「他職種がかかわるチームによるカンファレンスや回診を行い、患者の治療・療養に対応することについて、診療報酬上の評価をどのように考えるか」を論点に提示。チーム医療の具体例として、高知の近森病院のNSTのほか、東京の聖路加国際病院の「呼吸ケアチーム(多職種で人工呼吸器を管理)」を挙げた。

意見交換で嘉山孝正委員(山形大医学部長)は、医療現場でのNSTの重要性を指摘した一方で、呼吸ケアチームについては「本来の医療なので、これを特別に(診療報酬上で)認める必要はないと思う」と述べた。また、「ただチームと名前を付けるだけで診療報酬を付けることには賛成できない」とも述べ、多職種による連携の中身を吟味する必要があるとの考えを強調した。

一方、白川修二委員(健康保険組合連合会常務理事)はチーム医療の重要性に理解を示しながらも、「何をもって『チーム』と言うのか。何をもって『カンファレンス』と言うのか。それをある程度明確にしないと、外来管理加算の5分要件と同じになってしまう」と苦言を呈した。

これに対して西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、「病院、特に急性期病院はいろんな患者をトータルで診ている。あまり指摘されると、かえって質が悪くなることも頭に入れていただきたい」と反論。その上で、「すべての入院医療でチーム医療をやっていることをご理解いただき、やはり入院基本料の底上げで評価を考えてほしい」と求めた。

また、北村善明専門委員(日本放射線技師会長)は、「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」などを例示し、モチベーション向上を目的に施設基準などにコメディカルの名前を入れるよう要望。

坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)は、チーム医療における専門・認定看護師の役割を説明し、それに対する診療報酬上の評価の必要性を強調した。

チーム医療への診療報酬上の評価について、佐藤敏信医療課長は「現行でチーム医療への評価と考えられるのは『緩和ケア診療加算』。この中でも留意事項や施設基準などが決まっているので、一般論で言うとこれに準ずる形になる」と発言。次回以降の基本小委で議論を深めるとした上で、「例えば、近森病院も参考にして組み込んでいくだろう」と述べ、NSTへの評価も今後の検討課題に含める意向を示した。

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がん重粒子線治療の公開講座が開催、佐賀県

14日、切らずに癌を治す「重粒子線治療」についての公開講座(佐賀県損害保険代理業協会主催、佐賀県共催)が佐賀市のメートプラザ佐賀(正式名称は「佐賀勤労者総合福祉センター」、佐賀市兵庫町大字藤木)で開催された。

佐賀大学医学部の工藤祥教授(放射線学)が講演し、治療法のメカニズムやデータを解説。「従来の放射線治療や外科手術では治療困難だった種類の癌にも有効」と効果の高さを説明し、鳥栖市に2013年開業予定の「九州国際重粒子線がん治療センター」についても計画内容を紹介した。

パネル討議には実際に治療経験者も参加し、「苦痛がなく、治療の実感がわかないほど」と、治療効果や感想を語った。

4年前に重粒子線治療を受けた福岡県の前園俊介さんは「治療時間は1回30分と短く、患者のQOL(生活の質)を考えれば、非常に優れた治療法」と実体験を紹介した。

また、三井住友海上火災保険の上原辰也佐賀支店長は、佐賀県と保険会社26社が結ぶ協力協定に触れ、「重粒子線治療を知ってもらうと同時に、安心して治療を受けられる保険を用意し、万が一に備えてもらうことが大事だと考えている」と述べた。

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日本癌治療学会が開催、放射線科医不足と個人情報保護法の壁

第47回日本癌治療学会が岩手医科大学の杉山徹会長のもと、世界最大級の国際会議場「パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい)」で、10月22日~24日の間、開催された。

「がん治療への目線 ~Perspectives of Clinical Oncology~」をテーマに、医療従事者の視点だけにとどまらず、がん患者や家族、行政、企業それぞれの目線からみた「がん治療の現状と変化」について活発な議論が交わされた。

特に「患者の目線」として活動の拠点となる「Patient Advocate Lounge」を学会場に設け、実際に50人の患者代表が参加するなど、学会と患者との連携を重視、さらに患者代表がシンポジウムの演者として登壇するなど画期的な試みが行われた。

「がん対策基本法」が2007年から施行され3年目を迎え、がん診療はどのような現状にあるのかについて、特別企画シンポジウム「がん対策基本法に基づくがん医療は変わったか?2年間を振り返る」では、その成果を含めたがん診療の現状をさまざまな立場の演者が報告した。

拠点病院の立場からは、佐々木常雄氏(都立駒込病院)が登壇。「東京都がん対策推進計画」に基づく東京都の24の病院で作る部会の活動を紹介し、今後の課題として個人情報保護法が壁となっている予後調査の実施方法や、緩和ケア研修のさらなる充実を挙げた。

都道府県におけるがん対策として引き続き村下伯氏(島根県隠岐保健所)が壇上、島根県の特徴としてがん対策委員15人のうち4人が患者代表であることを挙げ、その結果「島根県がん対策推進計画」にがん患者団体や関係者の意見を最大限に取り入れることができたと報告した。また、これからは患者や医療機関、企業、マスコミ、行政、議会、教育機関が一体となった「七位一体」のがん対策が重要であると提言した。

若林剛氏(岩手医大)は、岩手県のがん対策として岩手医大を中心とした活動を報告。患者目線の情報提供の場として設けられた「がん患者サロン」が、開設後6か月で1000人以上が利用するなど順調に滑り出したことを紹介する一方、課題として腫瘍内科医や放射線治療医の養成を挙げ、がん対策以前に医療崩壊への対策が必要と訴えた。

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いわて健康塾が開催、放射線画像でみる食生活の重要性

14日、第5回「いわて健康塾」(後援:岩手県医師会、岩手読売会、読売新聞盛岡支局、テレビ岩手主催、岩手県など)が盛岡市大通のホテル東日本盛岡で開かれた。

野菜ソムリエでもある岩手医大付属病院放射線科の宮田恵医師が「アンチエイジング(抗加齢)~医学でつづるビューティフルライフ」をテーマに、体を美しく保つための食生活の秘訣を詰めかけた110人に伝授した。

宮田医師は「放射線画像を見る限り、内臓脂肪の蓄積などで動脈硬化が進んだ人が年々増え、老化のスピードを速めている」と指摘。体の酸化を防ぐ成分が豊富な野菜を十分にとることで、老化のスピードを抑え、血管や肌も若く保つことができると説明した。

その上で「岩手の風土は栄養価の高い野菜や雑穀を育んでおり、地産地消の食事を心がけるだけでも美容と病気予防につながる」と強調していた。参加者は宮田医師の話に熱心にメモを走らせながら聞き入っていた。

盛岡市みたけの主婦佐々木暁子さん(60)は、「何も特別なことをしなくても地元の野菜をしっかり食べていれば美容につながることがわかった」と話し、同市松園の主婦大志田祐子さん(65)は「健康維持のためにも食事の栄養バランスにもっと気を配りたい」と感想を語っていた。

http://www.google.co.jp/search?q=%E5%B2%A9%E6%89%8B%E5%8C%BB%E5%A4%A7%E4%BB%98%E5%B1%9E%E7%97%85%E9%99%A2

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乳がん患者向けパッド開発、乳がん患者に希望を、主婦が開発

乳癌で乳房を切除した患者向けに、淡水パールを活用したパッド「パールパッド」を、水戸市大塚町の主婦内田まり子さんが開発した。

もともと乳房を切除した自分のために作ったもので、それが口コミで広がり、製作を依頼されることもあるが、時間や費用面から応じきれない状況。「もっと広めて患者の不安をなくしたい」と製品化する企業を探している。

パールパッドは、肌に触れる部分は絹、中身は細かな淡水パールやビーズ、綿で、アンダーパッドとともに市販のブラジャーの中に入れる。パールが体の動きに合わせて自然な動きをする。

パールパッドは洗濯ネットに入れて洗っても型崩れしない耐久性に加え、見た目も重視している。レースをあしらった下着風のデザインに、装着したモニターの患者たちは「かわいい」と表情を明るくし、水泳に使う人もいるという。「ゴージャス感があり、温かくて柔らかい」。内田さんの使い心地だ。

パールパッドの開発のきっかけは、内田さんが2007年秋に都内の東京大病院で左乳房やリンパ節の摘出手術を受けたこと。喪失感は大きく「これから私はどうなるのだろう」と不安がよぎったという。世界で主流となっているパッドはシリコンジェル製で、カバーや専用のブラジャーが必要。海外の男性が開発したと聞き、内田さんは「大切な胸の代わりが、これでは寂しい」と感じたという。

内田さんは雑誌などのアイデア企画に応募し、食品や日用品の作品で何度も入選した“町の発明家”だ。パールパッド開発のヒントはエプロンの左ポケットに携帯電話を入れた時の適度な重みだという。その適度な重みで身体のバランスが正常になった気がしたという。「ピンチはチャンス。自分で作ってしまおう」と、手術の翌月には試作品作りにとりかかった。

体力が落ち、外出がつらい時期にも夫の照男さんの協力を得て、手芸店で材料集めをした。照男さんは「妻は作業に夢中になり落ち込むひまもなかった」と話す。緩和ケアに力を入れる担当医の東京大学医学部附属病院の小川利久准教授からも「製品化したらパンフレットを置いて宣伝しよう」と励まされた。

内田さんは2008年3月に国内で1度目の特許出願、今年3月に改良版で2度目の出願を行った。

「乳がん患者は手術によって体だけでなく心もダメージを受ける」と内田さんは言う。術後も痛みが残り、引き続き放射線や抗がん剤で治療するケースもある。また鬱になる人も多い。

内田さんは「でも泣かないで、と言いたい。私が開発したパッドで少しでも不安や苦痛を軽減してほしい」と話している。

http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%89+%E5%86%85%E7%94%B0%E3%81%BE%E3%82%8A%E5%AD%90

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放射線治療や放射線医用画像診断の役割を学ぶ市民講座が開催、兵庫県

15日、放射線が病気の発見や治療に果たした役割や救急医療の現状などを学ぶ市民公開講座(兵庫県放射線技師会主催)が豊岡市大手町の市民プラザで開かれた。

ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン博士がヴュルツブルク大学においてクルックス管を用いてエックス線を発見した1895年11月8日にちなんで企画された。

市民公開講座は入場無料で、中貝宗治市長、市消防本部警防課の田辺光之課長補佐、但馬救命救急医療センターの倉橋卓男センター長、公立豊岡病院の福井秀男放射線技師が、地域医療や応急手当の重要性、最新の医用画像診断などをテーマに講演した。

会場には最新の医療機器や、画像診断に使われる実際の医用画像を紹介するパネルなどを展示。乳がん早期発見のための検診呼びかけなども行われた。

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