PACSニュース

フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

Appleが医療セミナー開催、OsiriXベースのPACSをアピール

アップルジャパン株式会社は11月7日、同社本社の東京オペラタワー32Fにて、アップル・オン・キャンパス・セミナーを開催した。

セミナーでは、神戸大学の杉本真樹氏が檀上し、MacOSX用のDICOMビューアである「OsiriX」をベースとしたPACS構築について、ニュートングラフィックス社などによる実際のPACS構築事例が紹介されながら、講演が行われた。

杉本氏は、まずOsiriXについて「OsiriXの素晴らしい点は、制作する側の立場からではなく、実際の医師が開発したことにある。"このようなソフトがあったら"という医師の理想を形にしたものである。また、オープンソースとして公開されているため、カスタマイズが可能な点も素晴らしい」と概要を紹介。

さらに使用感として「OsiriXはダウンロードも楽であり、インターフェイスも優しい。臨床画像を読影したい場合には、CD-RやUSBメモリからドラッグ&ドロップするだけ。ウィンドウ幅を調整したり、Macintoshの基本であるツールバーのカスタマイズもできる。MPRやMIP、ボリュームレンダリング等も標準搭載している。サンプル画像もダウンロードできるため、画像を持っていない医学生にもぜひ一度有用性を実感して欲しい」と解説した。

次に臨床現場でのOsiriXの使用に関しては、仮想内視鏡鏡と実際の内視鏡との併用、超音波内視鏡との併用など、画期的な使用法を呈示。さらには、WiiリモコンやiPhoneなどのジャイロセンサーを応用し、OsiriX画面と内視鏡の動きをシンクロさせる試みや、患者の身体をスクリーンに見立てOsiriXの画像を投影するイメージオーバーレイ、ロボット手術の際の安全性確保のための使用など、多岐に渡る応用方法を熱く解説した。

セミナー後半には実際にOsiriXを体験できるハンズオンコーナーも開設され、使用経験のある人も未経験の人も、日本におけるOsiriXの先駆者である同氏の説明に聞き入りながら、その高い有用性に関心を寄せていた。

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東京女子医大東医療センタがPACS導入、フィルムレス化へ

株式会社インフィニットテクノロジーは11月17日、同社国内初の大学病院導入事例となる東京女子医科大学東医療センターへのPACS導入を発表した。

はじめに、趙顯眞氏(同社代表取締役)から、韓国本社であるINFINITT Healthcare および日本法人である同社の概要について紹介。

同社のPACSは、韓国では70%のシェアを持ち、韓国の大学病院の90%に導入されている(2009年11月現在)。また、韓国を含め全世界でも1,600以上の施設に導入実績を持つ。主なマーケットは東南アジア・EU地域を含め25ヵ国。日本においても300施設の導入実績があり、東京女子医科大学東医療センターは日本における大学病院への大規模導入第一号となる。「弊社のPACSは、各診療科の誰もが使いやすいシステムとなるよう、常にお客様に最新技術とサポートを提供する体制を作っています」と趙氏は企業理念を語る。

続いて森住隆浩氏(同社営業部長)は、東京女子医科大学東医療センターへの導入事例について説明、INFINITT PACSのシステム概要や構成を解説した。

同施設ではPACS導入日の2009年6月1日より完全フィルムレスとして稼働しており、医師はメインサーバに読影、マンモグラフィ、循環器、歯科などの専用ビューワにて画像を参照する。森住氏は「サーバを分割せずに一元化することで、撮影画像の院内高速配信を実現しました。弊社のPACSは2D/3Dを統合したシステムで、放射線科・循環器科・歯科など各診療科向けの専用ビューアもあるため、院内の多くの方に活用いただいております。常時バックアップも取っているので、万が一システムがダウンしたときにも対応できます」と語る。

また、地域医療連携についても「今回の導入では、東京女子医科大学東医療センターの提携病院である日暮里クリニックのシステムとの連携も図り、画像データを相互に参照できる環境を実現しました」と述べた。

最後に、上野惠子氏(東京女子医科大学東医療センター)が、同院への導入の経緯やメリットについて語り、「ビューワの設定が個人別で管理できる点が、放射線科だけでなく、外科の先生などからもとても使いやすいと好評で、患者様へのサービス・スタッフのモチベーションの向上に大きく寄与したと思います。これからもぜひ同社と共にシステムの改善に協力していきたいです」と意欲を見せた。

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DICOMタグ編集ツール「Rad Editor」が発売

医療機関向けシステム開発の株式会社ユーズテック(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:中村淳)は、DICOMタグ編集ツール「Rad Editor (ラドエディター)」を、11月20日から放射線科関連販社を通して発売すると発表した。

「Rad Editor」は、同社開発のフリーウェアである「ケシケシツール」シリーズの有料上位編集ツールで、「Rad ACE(ラドエース)」をベースに画像表示を含まないタグ編集画面のみとした廉価版という位置づけ。

CR、DR、CT、MRなど医用画像の効率的な管理には、タグの整理が鍵。患者単位、検査単位、画像単位など、DICOM形式のデジタル医用画像はDICOMファイル内に含まれるタグによって管理される。

「Rad Editor」は、タグ編集に特化し開発した編集ツールで、研究用途のみならず、紹介検査などのデータのメディア入出力が容易に行える。また、DICOMファイル自動タグ編集モジュールを追加することで、規定ルールによる自動タグ編集DICOMゲートウェイともなる。

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乳がんマンモ定期検診の否定で議論沸騰

米政府の予防医療作業部会は17日までに、乳癌の早期発見に有効な乳房X線撮影検査(マンモグラフィー)に関して、40代の定期検診は勧めないとの勧告を発表した。誤判定や過剰診断などを理由に挙げている。

同部会は2002年に40歳以上の女性に対して、隔年で同検診を受けるよう勧めていただけに、新たな見解の是非をめぐって議論が沸騰。ハーバード大学医学部のコパンズ教授(放射線医学)はワシントン・ポスト紙に「マンモグラフィーは何万人もの命を救ってきた。ひどい勧告で非論理的だ」と批判している。

作業部会は16日に発表した勧告で「誤判定や過剰診断によるリスクと受診による利益を比較した場合、40代はリスクがほかの年齢層より高い」と指摘した。

ただ、部会はマンモグラフィーの効用を否定しているわけではなく、「50~74歳の女性は隔年で受けるべきだ」ともしている。

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日本アキュレイ社長に穂積重紀氏、医用放射線機器販売を拡充へ

サイバーナイフの米アキュレイ社は13日、穂積重紀氏が11月1日付で日本アキュレイの代表取締役社長として入社したと発表した。

穂積氏はアキュレイ入社前はジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の副社長を務め、ライフスキャン事業部長、インディペンデンス・テクノロジー事業部のゼネラルマネジャーとして働いた。同氏はジョンソン・エンド・ジョンソンの前には、GEメディカル・システムズとアップルジャパンでセールス&マーケティング、ビジネス開発、コーポレート・プランニング、チャンネル・デベロップメントなどさまざまな業務で指導的な役職についた。

アキュレイ社長兼最高経営責任者(CEO)のユーアン・S・トムソン博士は「穂積氏は大きなグローバル企業では新製品提供で素早い成長と市場の受け入れを進め、比較的小規模の会社で市場シェア獲得のためチームを率いるなどその実績は確かなものであり、日本アキュレイの業務を完全に補完することになる。われわれは同氏を経営陣に迎えることを喜んでおり、これが地域ビジネスモデルの成功と当社放射線外科手術装置サイバーナイフの世界的広がりへの大きな一歩になると見ている」と語った。

穂積氏はトムソン社長兼CEOに直接業務報告し、日本地域での販売、サービス、マーケティングに全面的な責任を負う。

日本では現在、21台のサイバーナイフ装置が設置されており、インストールベースで米国に次いで2番目の台数になっている。

サイバーナイフ(CyberKnife、登録商標)ロボティック放射線外科装置について

サイバーナイフ・ロボティック放射線外科装置は、身体のあらゆる部位の腫瘍を非侵襲的に治療するため設計された世界で唯一のロボティック放射線外科装置である。継続的な画像誘導テクノロジーとコンピューター制御ロボティック移動技術を利用して、サイバーナイフ装置は治療の全過程でリアルタイムで自動的に腫瘍と患者の動きを追跡、探知、修正する。これによって同装置はピンポイントの精度で高線量の放射線を照射することができるので、周辺の健康な細胞組織への損傷を最低限に抑え、侵襲されやすい頭部や身体に安定化フレームを使う必要がなくなる。

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驚異的な進歩を遂げた放射線治療とそれが普及しない日本の現状

「市民のためのがん治療の会」は、「がんは放射線でここまで治る」と題した講演会を、22日に癌研有明病院(東京都江東区有明3-8-31)で開く。 開催は22日の午後1~4時までで、参加費は無料。 定員は先着順受け付けで100人までとなっている。

がん治療の3本柱の一つ、放射線治療について最前線の専門家が講演し、患部を切るか切らずにすませるかの判断材料を提供する。

講演内容は、小口正彦(癌研有明病院放射線治療科部長)による「驚異的な進歩を遂げた放射線治療とそれが普及しない日本の現状」、 田辺英二(AET代表取締役社長)による「次世代放射線治療装置の開発」、西尾正道(北海道がんセンター院長)による「セカンドオピニオン外来から学ぶ」、 山下孝(癌研有明病院顧問)による「がんは放射線でここまで治る」などが予定されており、質疑応答も行われる。

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