定期がん検診の重要性と、抗がんサプリの意味のなさ、岡山県医師会が警告
2009年12月4日金曜日
岡山県医師会は29日、岡山市中区で県民公開講座「乳がんの検診と治療」を開き、県内の乳腺専門医3人が「乳房を美しく残せ、よく効く薬もできたが、早期発見に勝る方法はない」と題し、定期的な視触診検診とマンモグラフィー検診を受ける必要性を訴えた。
くにとみ外科胃腸科医院(岡山市中区)院長の岡崎邦泰医師は、欧米の多くの国では毎年無料でガン検診を受けられ、ガンによる死亡率は低下しているが、日本では死亡率の高まりに歯止めがかかっていないと指摘。特に40歳以上では、視触診とマンモグラフィー検診の併用で死亡率が減少するデータがあると報告した。
川崎医科大学(倉敷市)の中島一毅医師は、乳腺専門医やマンモグラフィー読影認定医など、資格がある医師の下で診断や治療を受けた方が良いとアドバイスした。
また、同大学の園尾博司医師は、これまでの治療法では乳房を残せなかった大きながんでも、現在では医療の進歩により温存できるケースがあるなど、最新の治療法を紹介。
加えて「ガンに効く」という謳い文句のサプリメントなど、補完代替療法に高額をつぎ込む患者がいるが、ガンの進行を止めたというデータはないと注意した。
会場からは「自己検診でガンを発見できた人は、どれくらいいるのか」などの質問があり、園尾医師は、同大学の調査では定期的に自己検診をした人のガンは、健診を「時々する」「全くしない」と答えた人と比べ、ガンの大きさが約1センチ小さい平均2.1センチで発見されており、乳房が残せる大きさだったと報告した。
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