PACSニュース

フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

PHILIPS、CTの被曝量を80%減らすソフトウェア発表、詳細は非公開

フィリップス(Philips)は、医療向けX線CT装置から発生する放射量を80%減らせる技術「iDose」を発表した。

患者が被曝する放射線の量を減らすのが狙い。米シカゴ市で2009年11月29日~12月4日に開催している放射線学会「RSNA 2009」のイベントで発表されたものである。

iDoseは、X線CT装置の撮影画像に生じるノイズを少なくするソフトウェアのアルゴリズム技術。

従来のX線CT装置では撮影画像に生じるノイズを減らすため、X線の放射量をある程度多くする必要があったという。

iDoseの技術を利用すると、放射線量を少なくしても、従来と同等の撮影画像の品質を維持できるとPhilips社は主張している。

ノイズを減らすためのアルゴリズムは、X線CT装置に接続しているワークステーションで処理する。Philips社によると、このワークステーションには「サーバー・クラス」のコンピューターを使っているという。アルゴリズムの詳細は未公開、医療の進歩のためにも是非公開してもらいたいところである。

Philips社は、同社のX線CT装置「Brilliance iCT」や64列のX線CT装置などに今回の技術を搭載し、2010年後半に出荷する予定で、従来のX線CT装置でもアップグレードによって新技術を搭載することができるという。

価格設定については未定。

定期がん検診の重要性と、抗がんサプリの意味のなさ、岡山県医師会が警告

岡山県医師会は29日、岡山市中区で県民公開講座「乳がんの検診と治療」を開き、県内の乳腺専門医3人が「乳房を美しく残せ、よく効く薬もできたが、早期発見に勝る方法はない」と題し、定期的な視触診検診とマンモグラフィー検診を受ける必要性を訴えた。

くにとみ外科胃腸科医院(岡山市中区)院長の岡崎邦泰医師は、欧米の多くの国では毎年無料でガン検診を受けられ、ガンによる死亡率は低下しているが、日本では死亡率の高まりに歯止めがかかっていないと指摘。特に40歳以上では、視触診とマンモグラフィー検診の併用で死亡率が減少するデータがあると報告した。

川崎医科大学(倉敷市)の中島一毅医師は、乳腺専門医やマンモグラフィー読影認定医など、資格がある医師の下で診断や治療を受けた方が良いとアドバイスした。

また、同大学の園尾博司医師は、これまでの治療法では乳房を残せなかった大きながんでも、現在では医療の進歩により温存できるケースがあるなど、最新の治療法を紹介。

加えて「ガンに効く」という謳い文句のサプリメントなど、補完代替療法に高額をつぎ込む患者がいるが、ガンの進行を止めたというデータはないと注意した。

会場からは「自己検診でガンを発見できた人は、どれくらいいるのか」などの質問があり、園尾医師は、同大学の調査では定期的に自己検診をした人のガンは、健診を「時々する」「全くしない」と答えた人と比べ、ガンの大きさが約1センチ小さい平均2.1センチで発見されており、乳房が残せる大きさだったと報告した。