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日本癌治療学会が開催、放射線科医不足と個人情報保護法の壁

第47回日本癌治療学会が岩手医科大学の杉山徹会長のもと、世界最大級の国際会議場「パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい)」で、10月22日~24日の間、開催された。

「がん治療への目線 ~Perspectives of Clinical Oncology~」をテーマに、医療従事者の視点だけにとどまらず、がん患者や家族、行政、企業それぞれの目線からみた「がん治療の現状と変化」について活発な議論が交わされた。

特に「患者の目線」として活動の拠点となる「Patient Advocate Lounge」を学会場に設け、実際に50人の患者代表が参加するなど、学会と患者との連携を重視、さらに患者代表がシンポジウムの演者として登壇するなど画期的な試みが行われた。

「がん対策基本法」が2007年から施行され3年目を迎え、がん診療はどのような現状にあるのかについて、特別企画シンポジウム「がん対策基本法に基づくがん医療は変わったか?2年間を振り返る」では、その成果を含めたがん診療の現状をさまざまな立場の演者が報告した。

拠点病院の立場からは、佐々木常雄氏(都立駒込病院)が登壇。「東京都がん対策推進計画」に基づく東京都の24の病院で作る部会の活動を紹介し、今後の課題として個人情報保護法が壁となっている予後調査の実施方法や、緩和ケア研修のさらなる充実を挙げた。

都道府県におけるがん対策として引き続き村下伯氏(島根県隠岐保健所)が壇上、島根県の特徴としてがん対策委員15人のうち4人が患者代表であることを挙げ、その結果「島根県がん対策推進計画」にがん患者団体や関係者の意見を最大限に取り入れることができたと報告した。また、これからは患者や医療機関、企業、マスコミ、行政、議会、教育機関が一体となった「七位一体」のがん対策が重要であると提言した。

若林剛氏(岩手医大)は、岩手県のがん対策として岩手医大を中心とした活動を報告。患者目線の情報提供の場として設けられた「がん患者サロン」が、開設後6か月で1000人以上が利用するなど順調に滑り出したことを紹介する一方、課題として腫瘍内科医や放射線治療医の養成を挙げ、がん対策以前に医療崩壊への対策が必要と訴えた。

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