広島で最先端の放射線治療が開始、国内初
2009年11月13日金曜日
11月12日、広島県広島市中区の広島平和クリニックは、最新鋭の放射線治療装置である「ノバリスTX」を日本国内で初めて導入し、ガン治療を始めた。
ノバリスTXは、患部のみへの高精度で精密な照射が可能であり、周囲の組織を傷めず、放射線による副作用が少ないという。
寝台に乗った患者の周りをアーム状の装置が動き、複数の方向からX線を照射する。ガンの位置や形状、大きさを選ばないのが利点。患者も痛みや熱さを感じない。
現在、広く普及している放射線治療装置であるガンマナイフが使えるガンは、大きさ3センチ以内に限られている。また、ガンマナイフでは球形にしか照射できず、複雑な形状のガンの場合は周囲にダメージを与えるケースもある、という。
放射線治療は1回約30分程度で、複数回にわたって治療を行う。また、脳腫瘍(しゅよう)、肺や肝臓のガンなどの場合には保険が適用される。
広島平和クリニックは10月、院内に高精度がん放射線治療センターを開き、ノバリスTXを6億円かけて導入した。年間300人の治療を見込む。
この放射線治療装置ノバリスTXは、米国とドイツの医療機器メーカーが共同で開発し、すでに両国を中心に約60病院で使われている。日本国内では、岐阜大学医学部附属病院病院など3施設にも導入が計画されており、本年度中には稼働する予定。
広川裕院長は「ガンはこれまで大きかった患者への負担を抑えて、患部だけを治療することが大きな課題となっている。高精度の機器を使った治療への患者ニーズは高い」と導入の目的を説明している。
ラベル: 放射線治療
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