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歯科診療報酬めぐる議論が本格化

中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会は11月25日、歯科診療報酬をめぐる議論を本格的にスタートさせた。

委員からは、医科の「在宅患者訪問診療料」と「歯科訪問診療料」の算定要件を揃えるべきだとする意見もあった。

この日の基本小委員会で、厚生労働省側は、

  • 在宅歯科医療の推進
  • 障害者歯科医療の充実
  • 患者の視点に立った歯科医療
  • 生活の質に配慮した歯科医療の充実
  • 歯科固有の技術の評価
の5つの論点を提示した。

在宅歯科医療について、現行の診療報酬では、在宅等で療養中の患者1人に対する診療を評価する「歯科訪問診療料1」(1日につき830点)、社会福祉施設等で療養中の複数の患者を訪問診療した場合の「同2」(同380点)などで算定している。

一方、医科の在宅医療では、在宅で療養している患者に対する「在宅患者訪問診療料1」(1日につき830点)、高齢者専用賃貸住宅や有料老人ホームなどの患者への訪問診療に関する「同2」(同200点)がある。

医科の在宅患者訪問診療料については、11日の基本小委員会で、複数の患者を診る場合に、同一のマンションと、有料老人ホームなどの居住系施設とでは点数が異なるため、算定要件の見直しをめぐり議論となっていた。

小林剛委員(全国健康保険協会理事長)は、要件が類似する同診療料と歯科訪問診療料を一緒に見直すべきではないかと指摘。

勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、「ある程度そろえた方がよいのではないか」と同調した。

これに対して、保険局の上條英之歯科医療管理官は「診療実態が違うが、共通部分もあるので、そこは見る必要がある」と述べるにとどめた。

また、前回の報酬改定で新設された「歯科疾患管理料」(月1回の算定)に関する意見も出た。歯科疾患管理料では、治療方針などを記載した管理計画書による患者への情報提供を評価し、1回目130点(初診日から1か月以内に計画書を提供)、翌月の2回目以降110点(計画書の提供は2月に1回以上)を算定できる。

歯科疾患管理料の情報提供について、厚労省の調査では患者側が高く評価しているのに対し、歯科医師側はそれほど満足していないことから、勝村委員は「両極端の結果が出ている」と指摘し、その理由を質問。

これに対して渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)は、「普段からよく説明しているので、これ(計画書)が患者の理解度向上につながったかどうかを疑問に感じているのではないか」との認識を示した。

このほか、有床義歯(入れ歯)の修理における歯科技工士の役割について、北村善明専門委員(日本放射線技師会長)は「歯科技工士の技術の大切さ、歯科医師との連携をチーム医療で評価するべきだ」と強調。

渡辺委員は「歯を残す技術」と「歯を失った後の口の機能を回復、向上させる技術」への評価を求めた。

また、虫歯のクラウン(被せ物)や歯の欠損部分にブリッジを製作した場合、装着後2年以内の維持管理を評価する「補綴(ほてつ)物維持管理料」(クラウン100点など)では再製作時の技術料が算定できないことについて渡辺委員は、「現場に戸惑いがある」とし、評価するよう訴えた。

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