PACSニュース

フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

HIS/RIS、PACSの運用テクニック

ベッド数705床を誇るマイモニデス・メディカル・センター(ニューヨーク)は、長年付き合いのあるベライゾン・コミュニケーションズと、同社が新設したコネクテッド・ヘルスケア・ソリューションズ・グループのサービスを使い、数カ月前からネットワークの大規模なアップグレードに取り組んできた。

「ネットワークのアップグレードを決断したのは、今後数カ月以内にアップグレードされるEHR(Electronic Health Record:電子医療記録)ソフトウェアをサポートするためと、患者に関するデータを各医師が持つスマートフォンなどのワイヤレス端末に伝送できるようにするためだ」と同センターでCIOを務めるウォルター・ファフェイ氏は説明する。

経営学の修士号を持つファフェイ氏は、自身の役割を「病院の運営に、経営、会計、ITの各要素をうまく取り入れること」だと考えている。

ITに関して言えば、ファフェイ氏はマイモニデス・メディカル・センターで過去2年間、20棟以上の建物を接続するベライゾンの光ファイバー・ネットワークをアップグレードするプロジェクトの責任者を務め、患者の医療記録を円滑に処理するためのネットワーク帯域拡大を進めてきた。

このネットワークは、例えば医師が緊急救命室に運び込まれた脳卒中の患者をビデオ・ストリームで遠隔診断、遠隔読影するときにも使われる。医師は、患者の話し方や体の動きを見て、本当に脳卒中かどうかを判断し、迅速かつ適切な処置を施せるというわけだ。

EHRシステムの浸透に伴い、こうしたPACSを用いた医用画像アプリケーションの利用はますます拡大すると見られる。今日では同センターと提携する800名近くの医師が高解像度の医用画像をPACSを通じてやり取りしている。1カ月間に閲覧される医用画像の枚数は、既に50万枚に上っており、使用しているネットワークは多岐にわたるという。

ファフェイ氏は、「新しい8階建てのケアセンターは有線/無線通信に対応しており、シスコ・システムズの802.11n対応の無線LANアクセス・ポイントを設置している場所もある」と語る。

医師は、患者のそばにあるワイヤレス・カートから患者の電子カルテにアクセスし、その場で処方する薬や処置方法を指示できる。これにより、紙の消費量が減らせるだけでなく、患者を移動させる手間も省くことができる。

患者を移動させる必要性が減ったことや電子カルテをいつでも見られること、検査の回数が減ったことで、「システムへの投資が患者のケアを改善したことは明らかだ」とファフェイ氏は胸を張る。

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