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フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

数千年の時を超えた画像診断、エジプト古代高官の大半が動脈硬化

古代エジプトのミイラ22体中9体に、動脈硬化の症状が見られたという。古代王朝の高官たちが数千年を超え、コンピューター断層撮影装置(CT)による医用画像診断を受けたことで判明した。

4年前には少年王ツタンカーメンを解析。左太もも骨折による感染症の可能性が浮かび上がった。ミイラを傷めず内部が把握できる医用画像診断は、ドラマチックな暗殺説など推理の余地が減るのは残念ではあるが、歴史の謎解明に一役買う。

古代人の死体調査は進むのに、現代人の死因究明がないがしろにされているのは不可思議だ。日本で警察が扱った異状死の解剖率は4%未満。遺族の求めで行う解剖を含めても1割以下で先進国の中でも圧倒的に最低レベルとなっている。

増え続ける医療過誤訴訟や犯罪見逃し。死因究明の不備が招いた結果といえる。人材不足や予算をかけない行政の怠慢、遺族心情などが要因だ。

その打開策となるのが医用画像診断である。作家で病理医の海堂尊さんが制度化を提唱してきた。犯罪を暴く手段として同氏の作品に登場し、ファンにはおなじみだろう。遺体を傷つけず費用も安い。何より内因性死亡の診断に威力を発揮する。救急救命現場では自主的に行われてきた。

一昨年の力士暴行死、そして相次ぐ男性不審死事件をうけ、国も制度見直しの研究会設置を表明した。命の尊厳を守る最後の医療としての死因究明。まさかミイラが優先ではなかろう。

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