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フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

画像診断システムや放射線治療機器より技術者の養成を優先せよ

日本の高齢者人口(65歳以上)は約2800万人、総人口の約20%を占めるようになった。こうした高齢化に伴いガン発生数も60万人になろうとしている。

日本人の年間死亡者数は110万人で、うちガンでの死亡者数は約1/3となっている。単純に差し引きすれば、年間のガン死亡率(ガン死亡数/ガン発生数)は約50%である。逆に言えばガンの50%は治るといえる。

高齢のガン患者は外科手術といった侵襲性の高い治療法ではなく、体に優しい治療を求めている。

日本で放射線治療をうけている人は約20万人(2006年)で、数字自体は増加傾向にあるが、それでも全体の1/4に過ぎない。欧米では全ガン患者の2/3が放射線治療を受けており、先進国の中では最低水準となっている。

2006年6月の小泉内閣の時に「ガン対策基本法」が制定され、2007年に「ガン対策推進基本計画」が策定された。

そのなかで放射線治療医と化学療法医の育成が謳われ、それに基づいて厚生労働省と文部科学省は拠点病院の指定と放射線腫瘍医のプロ養成計画を立てている。

欧米22カ国の放射線治療の統計と比較すると、放射線治療装置については日本も遜色はない。

その一方で、100万人あたりのガン患者発生数で日本は欧米の60%だが、放射線治療医数で欧米の1/5、放射線技師の数で3/10、放射線物理士の数で1/10にすぎず、日本の放射線治療は1歩後れているといわざるをえない。

厚生労働省は超高価で、経済効果の高い画像診断システムや放射線治療機器の導入支援には熱心だが、一方で肝心のマンパワー(放射線科医、放射線技師、放射線物理士)の養成が医療費削減方針の対象になるなど、大きな遅れとなっている。

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