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フィルムレスPACSの運用からDICOM医用画像の解析まで。

米国の景気刺激策に活気づく、医療業務のIT化プロジェクト

米国で約8,000億ドルという巨額の景気刺激策が可決され、医療業界のIT化にも莫大な支援金が投入されることが決まり、医療業界は沸騰している。

「病院や診療施設にある医療情報を電子化することで、年間数十億ドルに及ぶコストの無駄や、数千件に上る医療ミスを減らしたい」というのがオバマ大統領の意向である。

医療機関は、ITを利用して根深い医療問題を解決する見返りとして、2011年の190億ドルを皮切りに、5年間で総額500億ドルの連邦資金を獲得できる。

その一方で、有効なITシステムを導入しなかった医療機関は、「2015年にメディケア(老人保健医療制度)の支払いを1%カット」という金銭的なペナルティを受けることになる。しかも、2017年には、カット額が3%に増やされる予定だ。

医療機関のCIOは、ITの調達やスタッフの採用と並行して、オバマ大統領が奨励金の受給資格にどのような基準を設けるかを予想しながら、商機に目を輝かせている医用システムベンダーをうまくかわさなくてはならない状況に置かれている。

マウント・シナイ・メディカル・センターでIT担当副社長を務めるポール・コンティーノ氏は、「今、電子医療記録を扱うあちこちのベンダーから、売り込みの電話がかかってきている。医用システムベンダーやITコンサルティング会社は、まさに狂乱状態だ」とため息混じりに語る。

最近は、マイクロソフトとグーグルが参入を表明したのを皮切りに、スーパーマーケット最大手のウォルマートまでもが、同社の会員制ディスカウント・チェーンであるサムズ・クラブを通して、デルのPCに「eClinicalWorks」という医療系ソフトウェアをバンドルしたシステムを2万5千ドルで販売しているほどだ。

CIOがサムズ・クラブでシステムを購入することはないだろうが、一般のベンダーから購入する際にも慎重を期すべき点は多々ある。

ほとんどの製品は、まだ発展途上の段階にあるうえ、それらの新システムを使う医師/看護師にしても、積極的に使い方を覚えようとするユーザーから、まったくコンピューターを扱った経験のないユーザー、何十年も同じやり方を通してきて考え方が凝り固まっているユーザーなど、さまざまなタイプがいるからだ。

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